イスラム国による邦人拉致殺害予告事件、イスラム国が拘束していた後藤健二さんの殺害映像を公開、日本人をテロの標的にすると宣言、事件は最悪の結末を迎える


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 2016/02/04報 












【主報】 【イスラム国日本人拘束事件】 (2015/02/01-22:18)
 イスラム国による邦人拉致殺害予告事件、イスラム国が拘束していた後藤健二さんの殺害映像を公開、日本人をテロの標的にすると宣言、事件は最悪の結末を迎える



 【アンマン時事】過激組織「イスラム国」を名乗るグループが1月31日夜(日本時間2月1日早朝)、フリージャーナリストの後藤健二さん(47)=仙台市出身=を殺害したとする映像をインターネット上で公開した。菅義偉官房長官は記者会見で「(後藤さん本人の)可能性が高いと判断した」と述べた。日本はヨルダン政府に協力を求め、後藤さん解放を目指してきたが、事件は最悪の結末を迎えた。

 映像では、オレンジ色の服を着てひざまずく後藤さんとみられる男性が映され、ナイフを持って立つ黒い覆面姿の男が安倍晋三首相を呼び捨てにして「勝ち目のない戦争に参加するという無謀な決断のために、このナイフはケンジを殺すだけでなく(日本)国民がどこにいようとも虐殺をもたらすだろう。日本の悪夢が始まる」などと語っている。

 安倍首相は1日早朝、記者団に「痛恨の極みだ。非道卑劣極まりないテロ行為に強い怒りを覚える」と非難。また、「テロリストたちを決して許さない。その罪を償わせるために国際社会と連携する。日本がテロに屈することはない」と述べた。

 イスラム国は1月29日に投稿された音声メッセージで、イラク時間の同日日没(日本時間深夜)までに後藤さんの解放と引き換えにヨルダンが収監しているサジダ・リシャウィ死刑囚をトルコ国境に連れて来なければ、拘束しているヨルダン軍パイロット、モアズ・カサスベ中尉を直ちに殺害すると警告。ヨルダン政府は「釈放にはパイロットの生存の保証が必要」と主張して要求に応じなかった。映像では、カサスベ中尉の安否は明らかにされていない。

 安倍首相は1日、ヨルダンのアブドラ国王と電話会談し、事件をめぐるヨルダン政府の支援に謝意を表明。国王は事件について「イスラムの規範と無関係の卑劣な犯罪行為」と述べ、強く非難した。

 イスラム国は1月20日、後藤さんと湯川遥菜さん(42)=千葉市出身=の殺害を警告する動画をネット上に公開。72時間以内に身代金2億ドル(約235億円)を支払うよう要求。24日に湯川さんを殺害したとみられる画像が投稿された。

 湯川さんは2014年7月、トルコから陸路でシリア入り。イスラム国と交戦している反体制派武装組織に同行していたが、8月半ばに北部アレッポ近郊での戦闘中に部隊からはぐれ、イスラム国に拘束されたとみられる。後藤さんは同年10月、自身のツイッターでシリアで取材中と伝えた後、同月23日を最後にツイッターの更新が途絶えていた。

時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020100021&g=int

【続報】 【イスラム国日本人拘束事件】 (2015/02/01-13:54)
 イスラム国が公開した邦人殺害動画の声明全文



 過激組織「イスラム国」とみられる組織が後藤健二さんを殺害したとする映像のメッセージは以下の通り。

 日本政府へ。お前たちは、邪悪な有志連合に参加する愚かな同盟国のように、われわれがアラーのご加護により、権威と力のあるイスラム教カリフ国家であり、お前たちの血に飢えた軍であることを理解できていない。

 アベ(安倍晋三首相)、勝ち目のない戦争に参加するというお前の無謀な決断のために、このナイフはケンジを殺すだけでなくお前の国民がどこにいようとも虐殺をもたらすだろう。日本の悪夢が始まる。

時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020100025&g=pol

【続報】 【イスラム国日本人拘束事件】 (2015/02/01-20:08)
 安倍首相が声明を発表、「テロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせるために国際社会と連携する」と表明



 政府は1日、過激組織「イスラム国」とみられるグループが後藤健二さんを殺害したとする映像をインターネットで公開したことを受け、首相官邸で関係閣僚会議を開き、国際社会と協力してテロ根絶に取り組む方針を確認した。安倍晋三首相は声明を発表し、「テロリストたちを絶対に許さない。その罪を償わせるために国際社会と連携する」と表明した。声明は英語、アラビア語にも訳され出された。

 首相は午前7時すぎに開いた閣僚会議で、「日本がテロに屈することは決してない」と強調。「中東への食料、医療といった人道支援をさらに拡大していく」と述べ、引き続き中東の安定化に関与していく方針を表明した。続いて国家安全保障会議(日本版NSC)も開催した。

 首相は記者団に「日本に強い連帯を表明し、解放に向けて協力をしていただいた世界の指導者、日本の友人たちに感謝申し上げたい」と語った。首相は1日夜、ヨルダンのアブドラ国王と電話で会談し、同国の支援に謝意を示すとともに、「人道支援をさらに拡充し、テロとの戦いで責任を果たしていく」と伝えた。国王は「悲劇的結末を迎えたことに哀悼の意を表したい」と述べた。岸田文雄外相も同国のジュデ外相と電話し、今後も連携することで一致した。

 菅義偉官房長官は午前の記者会見で、「テロ撲滅に向けて日本はしっかり役割を果たす」と述べ、難民支援などで貢献する考えを示した。ただ、米軍主導の有志連合による対イスラム国空爆作戦に、自衛隊が後方支援を行う可能性は「ありません」と否定した。

 菅長官は政府の対応について、有識者を交えた検証が必要との考えも示した。イスラム国側が当初要求した2億ドルの身代金については「交渉しなかった」と語った。

 政府は午前5時前後に映像を確認し、後藤さんの家族にも連絡した。菅長官は同5時半ごろ官邸に入り、3人の官房副長官らと情報収集、分析を進めた。首相は同6時15分ごろに公邸から官邸に移動し、対応に当たった。

時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020100022&g=int

【続報】 【イスラム国日本人拘束事件】 (2015/02/01-08:40)
 イスラム系武装集団による邦人殺害、イラク戦争後相次ぐ



 日本人2人が過激組織「イスラム国」を名乗るグループに拘束された事件は、湯川遥菜さん(42)に続きジャーナリスト後藤健二さん(47)も殺害されたとみられる映像が公開される最悪の結末を迎えた。中東などではこれまでも、日本人がイスラム系武装組織に拉致・襲撃され、死亡する事件が発生している。

 イラク戦争後、同国では日本人の犠牲が相次いだ。2003年11月、車で移動中だった在英大使館の奥克彦参事官=当時(45)=ら外交官2人が銃撃を受けて死亡。04年10月にはイスラム国の前身組織「イラクの聖戦アルカイダ組織」が、旅行中だった香田証生さん=同(24)=を拉致した。自衛隊のイラク撤退を要求する動画公開後、香田さんは遺体で見つかった。

 05年5月には、英警備会社勤務の斎藤昭彦さん=同(44)=が、イスラム国とは別のイスラム教スンニ派武装組織に襲われた。日本政府は斎藤さんが死亡したと判断したが、遺体は見つからなかった。

 アフガニスタンでは08年8月、NGOスタッフとして農業支援に当たっていた伊藤和也さん=同(31)=がイスラム系武装組織に拉致され、殺害された。アルジェリアでは13年1月、天然ガス施設をアルカイダ系武装組織が襲い、プラント建設大手日揮の日本人従業員ら17人を含む外国人を人質に取り、アフリカ西部マリへの軍事行動中止をフランスに要求。翌日にはアルジェリア軍が攻撃を始め、同社最高顧問の新谷正法さん=同(66)=ら10人が死亡した。

 後藤さんと同じジャーナリストも犠牲に。04年5月にはイラクで橋田信介さん=同(61)=ら2人が、12年8月にはシリアで山本美香さん=同(45)=が、それぞれ銃撃され死亡した。

時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020100057&g=int

【続報】 【イスラム国日本人拘束事件】 (2015/02/01-08:59)
 イスラム国、邦人の解放交渉にヨルダンを巻き込み揺さぶり、一定の成果



 後藤健二さんと湯川遥菜さんを人質に取った過激組織「イスラム国」は、2人の殺害を警告する動画の公開後、直接関係のないヨルダンに死刑囚釈放要求を突き付け、意表を突く戦術で揺さぶりをかけてきた。人質を容赦なく殺害する残虐さと併せ、関係国の出方や世論動向を注視して交渉戦術を変えるしたたかさも見て取れる。

 2人の日本人人質をめぐり、最初の映像が確認されたのは1月20日。イスラム国はこの中で、安倍晋三首相が17日のカイロ演説で難民支援などに2億ドルの支援を打ち出したことを取り上げ、身代金として同額の計2億ドルを72時間以内に支払うよう要求した。

 それ以前の人質事件と比べても桁違いに大きな額で、金銭ではなく存在感の誇示など政治目的ではないかとの見方も当初からあった。また、映像が首相の中東訪問に合わせて公開されたのは明らか。日本の政界では首相演説を念頭に「イスラム国が『自分たちの敵だ』と認識するのは当たり前だ」(小沢一郎氏)との批判も出た。

 次いで24日に公開された画像では、イスラム国は湯川さんを殺害したと主張するとともに、身代金要求を撤回。代わりに後藤さん解放と引き換えに、ヨルダンで収監中のイラク人の女死刑囚を釈放するよう求めた。殺害警告が単なる脅しではないと強調しつつ、ヨルダンを巻き込み、仲間の釈放という現実的な要求に切り替えたとの見方も可能だ。

 さらに27日公開の画像では、24時間という期限を設定した上で、後藤さんと死刑囚の「1対1の交換」を要求。ヨルダンで自国軍パイロットと死刑囚の交換を模索する動きが出ていることを踏まえ、後藤さんより先にパイロットを殺害すると予告し、ヨルダン政府に対応を迫った。ヨルダン国内ではパイロット解放を訴える声が高まり、27日には首都アンマンで数百人が政府の迅速な対応を求めて抗議行動を繰り広げた。

 結果的にヨルダン政府は、イスラム国の要求を拒否すれば「自国民を見殺しにした」と国民から非難を浴び、対日関係に配慮して要求に応じれば「テロリストに譲歩した」という批判を免れない難しい立場に立たされた。いずれにせよ「日本人解放を優先した」という国民の不満はくすぶることになり、人質を最大限に活用して、米軍主導の有志連合の一角を占めるヨルダンを苦境に追い込むことに成功したと言える。(時事)

時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020100064&g=pol

【続報】 【イスラム国日本人拘束事件】 (2015/02/01-09:59)
 邦人の殺害、実行者は英国籍のイスラム国メンバー「ジハーディ・ジョン」か、これまでにも英米人らの斬首を繰り返す



 【ロンドン時事】後藤健二さんを殺害したとするビデオに登場した黒い覆面の男は、1月20日に最初の殺害警告の映像が公開された時と同じく、これまで英米人らの斬首を繰り返してきた英国籍の「イスラム国」メンバーとされる通称「ジハーディ(聖戦士)・ジョン」とみられる。

 殺害現場の背景は、警告時の映像と異なるが、覆面からのぞく目つきや、イスラム教徒が多いロンドン東部風の英語の声の質からも容易に同じ男と推測される。

 英メディアによれば、ジョンはイスラム国で「ビートルズ」と呼ばれる英国籍の4人組のリーダー格とされる。昨年8月から11月にかけてイスラム国による斬首の映像が出された米国人3人、英国人2人はすべてジョンが「執行役」として登場している。24日に投稿された湯川遥菜さんが殺害されたとみられる写真に関しても、この男の犯行の可能性が高い。

時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020100080&g=pol

【続報】 【イスラム国日本人拘束事件】 (2015/02/01-20:19)
 翻弄され続けた日本政府、ヨルダン頼みに終始、イスラム国と直接交渉できず



 過激組織「イスラム国」が人質の後藤健二さんを殺害したとする映像が1日公開され、救出を目指してきた日本政府は大きな衝撃を受けた。イスラム国側と直接交渉する手だてがない日本は、ヨルダンをはじめ関係国の協力頼みに終始。日本を敵視し、インターネットを通じて要求を次々と突き付けるイスラム国による「劇場型」の犯行に翻弄(ほんろう)され続けた。

 1月20日、イスラム国が後藤さんと湯川遥菜さんの殺害を警告して身代金2億ドルを要求する映像を公開して以来、政府は「あらゆるチャンネルを駆使」(岸田文雄外相)して解決の糸口をつかもうと努めた。しかし、イスラム国との交渉は「まったくなすすべがなかった」(政府関係者)。ヨルダン、トルコなどの友好国や、有力な部族長、宗教関係者らに仲介を頼んだり、メディアを通じて対処方針を発信したりして、犯行組織の反応を待つしかなかった。

 ヨルダンは、後藤さんらが不明となったシリアと国境を接し、日本からの経済協力などが累計3000億円を超える。親日国で、アブドラ国王には11回の訪日歴がある。「しっかりとした信頼関係」(菅義偉官房長官)をてこに、日本政府はとりわけヨルダンに望みを託した。

 殺害警告後、安倍晋三首相はアブドラ国王に2度にわたり電話で人質解放への支援を要請し、国王も「あらゆる協力の用意」を表明。首都アンマンに現地対策本部を置き、中山泰秀外務副大臣がヨルダン当局と折衝を重ねた。

 ところが、犯行組織が24日に後藤さん解放の条件として、ヨルダンで収監中のイラク人テロリスト、サジダ・リシャウィ死刑囚の釈放を要求。ヨルダンが当事者として巻き込まれる形となり、状況は厳しさを増した。

 ヨルダン政府はイスラム国に拘束された空軍パイロットの解放を最優先にする姿勢を崩さず、日本政府は後藤さんとパイロットの2人と、死刑囚の「2対1」の交換を模索。「後藤さんのことも最大限配慮してほしい」との要請を続けた。

 犯行組織が人質交換の期限を「29日の日没(日本時間同日深夜)」と通告すると、事態は緊迫。その期限を過ぎても進展はなく、政府高官は31日夜、「進んでいるというか、動いている」と力なく語った。

 ヨルダン政府は結局、パイロットの安否確認ができないことを理由に死刑囚の釈放に応じなかった。日本政府関係者は「後藤さんを特別扱いするようなお願いはとてもできなかった」と打ち明ける。

 ヨルダンが米国主導の空爆に参加していることから、政府・与党内には「ヨルダンとイスラム国の交渉はもともと難しかった」(自民党幹部)との見方もある。「アブドラ国王には惜しみない支援をいただいた」。首相は1日夜の国王との電話会談で、苦しい立場の中でのヨルダン政府の協力に謝意を示した。

時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020100108&g=pol

【続報】 【イスラム国日本人拘束事件】 (2015/02/01-13:14)
 イスラム国が公開の邦人殺害映像、後藤さんは言葉を残さず、覚悟を決めたように目を閉じる



 過激組織「イスラム国」が投稿した後藤健二さんを殺害したとする映像は、「日本政府へのメッセージ」という英語とアラビア語の文章が表示された後、オレンジ色の服を着て砂漠のような場所でひざまづく後藤さんとみられる男性が映されている。男性の後ろには、ナイフを持った黒い覆面の男が立ち、安倍晋三首相を呼び捨てにして「勝ち目のない戦争に参加するという(首相の)無謀な決断のために、このナイフはケンジを殺すだけでなく日本国民に虐殺をもたらす」と英語で語っている。

 後藤さんとみられる男性は後ろ手に手錠をかけられ、男がすぐそばでナイフを振り回しながら話している間中、撮影しているカメラをまっすぐに見据えてほとんど身じろぎしない。首にナイフが当てられると覚悟を決めたように目を閉じた。

 過去にイスラム国に殺害された人質の中には、メッセージを残す人もいたが、男性は口を閉ざしたまま、言葉を発することはなかった。

 映像には、イスラム国が公式声明で使用する黒い旗のロゴが表示されている。映像は約1分間で、後藤さんとみられる男性の遺体が映し出されて終了する。

時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020100030&g=soc

【続報】 【イスラム国日本人拘束事件】 (2015/02/01-15:46)
 米国は力を示せず、連帯を表明も具体策を語らず



 【ワシントン時事】オバマ米政権は、過激組織「イスラム国」が後藤健二さんと湯川遥菜さんの殺害を警告して以降、さまざまなレベルで日本との「連帯」を表明してきた。一方で「テロリストに譲歩せず」を基本方針とし、事件解決を目に見える形で主導することもなかった。テロに揺さぶられる同盟国へ無力をさらした形だ。

 ホワイトハウスは1月31日、後藤さんを殺害したとする映像が公開されると、直ちにイスラム国の行動を非難する声明を発表した。オバマ大統領やケリー国務長官らも相次いで「哀悼の意」を述べるなど、政権として問題を深刻に受け止めている姿勢をにじませた。

 日米両政府は実際、昨年8月に湯川さんがイスラム国に拘束された可能性が表面化してから、情報共有などを中心に協力を進めてきた。同年9月にはイスラム国の壊滅を目指し、日本を含む有志連合が結成された。

 しかし、イスラム国が湯川さんら2人の身代金として2億ドルを要求すると、米政府は受け入れ反対の立場を表明。また、後藤さんを解放する条件としてヨルダンで収監中の女死刑囚を釈放することについても、否定的な見解を重ねて主張した。

 米国内では今回の事件で、昨年5月に米兵解放と引き換えに、イスラム過激派5人を国外移送したことの是非をめぐる議論が再燃。記者会見でのやりとりはこれに終始し、窮地にある日本やヨルダンを米国が支える具体策が語られることはなかった。

 ケリー長官は31日の声明で、イスラム国が米国人を殺害していることを踏まえて「個々人の苦しみを承知している」と強調した。ただ、世界中で救出作戦を実行できる米国と、交渉以外に手段のない日本とでは、置かれた立場は大きく違っている。

時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020100152&g=pol

【続報】 【イスラム国日本人拘束事件】 (2015/02/01-16:22)
 旧フセイン政権を打倒したイラク戦争後、中東世界は混迷を深める、イスラム国をはじめとするテロ組織が台頭



 ジャーナリストの後藤健二さんを殺害した過激組織「イスラム国」の残忍な行為に対して、国際社会はテロ対策を一層強化する必要がある。だが、旧フセイン政権打倒へ米軍が主導したイラク戦争などを経た中東世界は依然、安定には程遠い。テロに対する軍事偏重の政策が結果的にテロ組織に口実を与えたり、求心力を高めさせたりする現実もある。イスラム国のような過激派が台頭した原因を探り、軍事力に偏らない複眼的な中東政策が求められている。

 イスラム過激思想が一大潮流となったのは、冷戦下の1980年代のアフガニスタン戦争だ。米国などはソ連の南下を阻止するためイスラム過激派を支援し、当時のムジャヒディン(イスラム戦士)が国際テロ組織アルカイダの源流となった。

 90年にイラクがクウェートに侵攻した湾岸危機では、米軍がイスラム教の二大聖地があるサウジアラビアに駐留。アルカイダ指導者ウサマ・ビンラディン容疑者が対米闘争に傾斜する要因となった。2001年9月の米同時テロを受け、米国はアルカイダが聖域化したアフガンを攻撃し、タリバン政権を崩壊させた。

 しかし、アフガンでは現在、タリバンの活動が再び活発化し、フセイン政権が打倒されたイラクでもイスラム国の台頭で国家分裂の危機にある。一連の戦争で米軍が拘束した「戦士」がイラク・アブグレイブ刑務所で虐待を受けるなど、イスラム教徒への人権侵害行為が繰り返され、過激派に反欧米テロの口実を与えた。

 中東では1948年のイスラエル建国に伴うパレスチナ紛争の解決も懸案だ。米国は、国連安保理常任理事国としてイスラエルのユダヤ人入植活動を非難する決議案に拒否権を行使する「イスラエル寄りの姿勢」に終始、アラブ世界で失望感を招いている。さらに、民主化を叫ぶ一方でサウジなど専横的な国々と友好関係を保つ欧米諸国の「二重基準」も、過激派が求心力を得る要因だ。

 一方、過激派が勢力を伸ばすのは、主権国家の統治が及ばない「テロの聖域」が存在するためだ。イラクでは、宗派の利害を優先させる近視眼的な政治家たちが混乱を助長させてきた。イスラム国は、米軍のイラク駐留やこうした政治の混乱の中で誕生し、シリア内戦でアサド政権が一部で統治能力を失った結果、「国家樹立」を宣言した。

 イラクやシリアは、西欧列強が恣意(しい)的に国境線を引いた人工国家だ。シリアは、オスマン帝国崩壊後にフランスの植民地支配を受け、分断統治戦略としてアサド大統領の少数派アラウィ派が優遇されたことで、少数派主導政権となるいびつな政治構造が定着した。英仏ロが第1次大戦中の16年に結んだオスマン帝国分割を約束した秘密協定、サイクス・ピコ協定にイスラム国が異を唱えているのは、大国の介入に反発するイスラム信徒の心理に訴えかける狙いがある。

 こうした中東の複雑な歴史を踏まえた上で、国際社会はテロ対策を一段と強化するとともに、イスラム国に活動の余地を与えないようシリア内戦の打開やイラク安定、中東地域の不公正是正に資する重層的かつ不断の関与が必要だ。(時事通信社前カイロ特派員・池滝和秀)

時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020100165&g=pol

【続報】 【イスラム国日本人拘束事件】 (2015/02/01-21:48)
 ヨルダン国王、イスラム国が拘束していた邦人を殺害したことを強く非難



 【アンマン時事】ヨルダンのアブドラ国王は1日、過激組織「イスラム国」が人質の後藤健二さんを殺害したとみられる事件について「イスラムの規範と無関係の卑劣な犯罪行為」と述べ、強く非難した。安倍晋三首相との電話会談で語った。

 また、ヨルダン政府はモマニ・メディア担当相による声明で「イスラム国が殺害やテロに固執していることを示すものだ」と強調。人質解放交渉に関し「日本人人質の命を守るために最大限の努力を尽くしたが、イスラム国は関係当局によるあらゆる試みを拒んだ」と指摘した。

 ヨルダン政府は1日、閣議を開き、依然イスラム国の人質となっているヨルダン軍パイロットのモアズ・カサスベ中尉の解放に向けた対応を協議。中尉の帰還に向け、引き続き全力を挙げる方針を確認した。

 イスラム国はヨルダン政府に対し、後藤さんの解放と引き換えにヨルダンで収監中のイラク人女死刑囚の釈放を要求していた。これに対し、ヨルダンはイスラム国側に「カサスベ中尉の生存確認」を求めたが、これまでのところ反応を得られていない。

時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020100205&g=soc

【続報】 【イスラム国日本人拘束事件】 (2015/02/01-17:59)
 イスラム国、日本人をテロの標的にすると警告、政府はテロリストの入国を阻止や、重要施設の警戒・警備を強化する考え



 政府は、過激組織「イスラム国」を名乗るグループが日本人を標的とするテロ敢行を警告したことに「激しい敵意だ」(公安関係者)と神経をとがらせている。国民の安全確保にこれまでにない対策を迫られており、海外在留邦人への注意喚起や、テロリストの入国を阻止する水際対策の徹底に乗り出した。ただ、当局の対応には限界もあり、不測の事態をどこまで防げるかは未知数だ。

 安倍晋三首相は1日、犯行組織が後藤健二さんを殺害したとする映像の公開を受けて招集した関係閣僚会議で、「国内外の日本人の安全確保を徹底する」と表明。この後の国家安全保障会議(日本版NSC)でもこうした方針を確認した。

 犯行組織が発信した1日未明の映像メッセージは、安倍首相を名指しし、「お前の国民がどこにいようとも虐殺をもたらす」と警告。実際、事件取材のためトルコとシリアの国境地帯に集まる日本人記者の写真を撮影するなどして個人の特定を進めているという情報もある。海外の日本企業や日本人学校などがテロの標的になる恐れも否めず、岸田文雄外相は、全ての在外公館に在留邦人保護などの安全対策強化を改めて指示した。

 また、外務省は1日付で、イスラム国組織の活動拠点であるシリアやイラクに限らず、他の国・地域でも「退避勧告」には従うよう注意喚起。自民党幹部からは「危険地域への渡航は差し控えるよう説得も必要だ」との声が上がった。中谷元防衛相は、南スーダンとジブチに派遣している自衛官の安全確保に万全を期すよう求めた。

 一方、国内治安対策に関し、菅義偉官房長官は記者会見で、テロリストの入国を阻止する水際作戦や、空港・公共交通機関など重要施設の警戒・警備に重点的に取り組む考えを示した。

 ただ、今回の事件で示された通り、海外で邦人の安全を確保するのは容易ではない。来年は日本国内で主要国首脳会議(サミット)が開催されるほか、5年後には東京五輪・パラリンピックも予定され、外国人入国者数が一段と増加することが予想される。国籍が多岐にわたるテロリストが紛れ込むことを食い止めるため、政府は細心の注意を求められている。

時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020100208&g=int

【続報】 【イスラム国日本人拘束事件】 (2015/02/02-15:02)
 中国メディア「安倍首相は自衛隊の海外派兵問題の突破口を開くための口実を得た」



 【北京時事】2日付の中国メディアは過激組織「イスラム国」が人質の後藤健二さんを殺害したとみられる事件について大きく報じた。「テロには屈しない」と主張する安倍晋三首相の発言を伝える一方で、「安倍首相は自衛隊の海外派兵問題の突破口を開くための口実を得た」(新華社論評)などと日本の動きを警戒する論調も目立つ。

 京華時報は後藤さんが湯川遥菜さんを救出するためにシリア入りし拘束されたと背景に言及。「戦争のない社会をつくりたい」と願った後藤さんの遺志を引き継いでいかねばならないと訴える後藤さんの母のコメントも報じた。

 一方、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は社説で「安倍政権が中東の複雑な情勢への対応能力に欠けていることを改めて示した」と主張。米国の有志連合に参加することで「日本の防衛は危険な立場になっている」と訴えた。

時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020200460&g=pol

【続報】 【イスラム国日本人拘束事件】 (2015/02/02-16:49)
 内閣官房長官、遺体の引き取りは困難との認識、引き渡しを求めて接触する可能性もないとの認識



 菅義偉官房長官は2日の記者会見で、過激組織「イスラム国」に殺害されたとみられる後藤健二さんと湯川遥菜さんの遺体の引き取りについて、「あのようなテロ集団、極めて危険な箇所なので、政府としては、最善の情報収集に努めていきたい」と述べ、困難との認識を示した。

 菅長官は、遺体の引き渡しを求めイスラム国と接触する可能性についても「ない」と述べた。その理由について、「テロ組織だから、話が通じるような集団ではない。ほかの国々もできない」と説明した。

時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020200529&g=pol

【続報】 【イスラム国日本人拘束事件】 (2015/02/02-17:14)
 首相官邸に半旗掲揚、殺害された湯川さんと後藤さんに弔意示す



 政府は2日、過激組織「イスラム国」が後藤健二さんと湯川遥菜さんを殺害したとする映像を公開した事件を受け、首相官邸の玄関脇に半旗を掲揚し、記者会見場内の国旗にも黒い布を付けて弔意を示した。

 これに関し、菅義偉官房長官は記者会見で「湯川さんと後藤さんに対する弔意を表すことに加え、テロ行為を断固として非難し、いかなるテロにも屈しないというわが国の強い意思を表明する」と説明した。官邸では、2013年1月のアルジェリア人質事件で日本人10人が死亡した際も半旗が掲げられた。

時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020200613&g=pol

【続報】 【イスラム国日本人拘束事件】 (2015/02/02-18:27)
 日本政府、後藤さんにシリアへの渡航を見合わせるよう要請、昨年3回に渡り



 政府が過激組織「イスラム国」によって殺害されたとみられる後藤健二さんに対し、昨年9~10月に3回にわたってシリアへの渡航を見合わせるよう直接要請していたことが2日分かった。関係者によると、外務省職員が昨年9月下旬と同10月上旬に電話で、同月中旬には面会して渡航中止を求めたが、翻意させるには至らなかったという。

 外務省は2011年4月にシリア全土に「退避勧告」を発出している。後藤さんの渡航計画を把握した同省は昨年9月26日に渡航中止を要請。10月3日に後藤さんの入国を知って即時退避を求めた。帰国後の同月14日には職員が面会して再び渡航しないよう注意喚起した。だが、11月1日に後藤さんの家族から、連絡が取れなくなったと通報があった。

 後藤さんは昨年10月末にシリア北部で行方不明になり、先月20日に殺害予告の動画がインターネット上に公開されたのに続き、1日には殺害されたとみられる映像が公開された。先に殺害されたとみられる湯川遥菜さんの入国については、外務省は事前に把握していなかった。

 事件を受けて安倍晋三首相は2日の参院予算委員会で、「内外の日本人の安全確保に万全を期したい」と改めて強調。自民党が2日開いた対策本部では、退避勧告に強制力を持たせるべきだとの意見が出た。しかし、憲法22条が保障する「居住、移転の自由」との兼ね合いで、渡航を禁止するのは困難なのが実情だ。

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http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020200563&g=int

【続報】 【イスラム国日本人拘束事件】 (2015/02/02-18:57)
 イスラム国、人質の解放と殺害を巡り、イラク系勢力とシリア系勢力が組織内で主導権争いか



 過激組織「イスラム国」による邦人人質事件の過程で、同組織内の二つの勢力の主導権争いがあったとする国外の分析情報が、日本政府に伝えられていたことが2日分かった。ヨルダンで収監中のイラク人女死刑囚と人質の交換を目指したイラク系勢力と、人質殺害で対外的に脅威を与えることを主眼とするシリア系勢力がせめぎ合い、情報の錯綜(さくそう)を招いたとの分析だ。

 関係者によると、人質とされた後藤健二さん、湯川遥菜さんはシリア系勢力に拘束され、1月20日の2人の殺害予告と、2月1日の後藤さん殺害の映像はいずれもシリア系が発信したとされる。両方の映像に登場する、「ジハーディ・ジョン」と呼ばれる覆面男もシリア系に所属する。

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http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020200729&g=pol

【続報】 【イスラム国日本人拘束事件】 (2015/02/03-05:35)
 ヨルダン首都アンマンの日本大使館前で追悼集会、数百人が弔意と日本との連帯を示す



 【アンマン時事】過激組織「イスラム国」が後藤健二さんを殺害したとみられる事件を受け、ヨルダンの首都アンマンの日本大使館前では2日夜、ヨルダン人数百人がろうそくに火をともし、後藤さんへの弔意と日本との「連帯」を表した。

 集まった人々は「私たちは後藤健二だ」と英語で唱えるとともに、イスラム国に依然拘束されているヨルダン軍パイロット、モアズ・カサスベ中尉の写真を掲げ、無事解放を祈った。

 大使館に設置された現地対策本部で指揮を執る中山泰秀外務副大臣や、ヨルダン日本友好議員連盟の会長を務めるアリ・バニアタ議員も参加。中山副大臣は目に涙を浮かべ、時折声を詰まらせながら、集まった人々に謝意と変わらぬ友好関係への期待を伝えた。

時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201502/2015020300053&g=soc

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